イベント
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Kotonohaで実施したイベントの記録です。
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読書会「隣人のあなた」ウィシュマさんを通じて⽇本で何が起きているか考える
2017年6⽉、スリランカのウィシュマ・サンダマリさんは「⽇本の⼦どもたちに英語を教えたい」と、英語教師を夢⾒て来⽇します。その後、在留資格を失い、2020年8⽉に名古屋⼊管の施設に収容されました。収容中、ウィシュマさんは体調を崩し極度に衰弱していたものの、⼊院や点滴などの措置を受けることなく、亡くなってしまいます。私はこのニュースを知ったとき、あまりの衝撃に言葉を失いました。遠い世界の出来事ではなく、ここ名古屋で起きた出来事です。多くの人に知ってもらいたい、隣人の問題として受け止めてほしい、そう思い、『隣人のあなた』の著書である安田菜津紀さんをお招きして対面で読書会を開催いたしました。
安田さんから⼊管に関すること、そこで起きていること、人権の問題等を、わかりやすく説明いただきました。「知らないこと」は「なかったこと」とは、違います。大きな主語で括られた「不法滞在者」ではなく、ひとりひとりの人生や事情を抱えて生きている「隣人」として、彼ら・彼女らがどのような状況にいるのか「知る」こと、寄り添うことの大切さを学びました。
参加者からは「この会をきっかけに、日本で起きている難民問題により目を向け、自分ができることをしていきたいと思いました。」「いかに隣人に対して、無関心で無知のまま生きていたかを身にしみて感じました。」「知らなければ加害者になってしまうことがあるという学びと共に、普段お話することのない様々な年齢や職業、経験をお持ちのかたと考えることができ、とても貴重な時間となりました。」といった意見が聞かれました。
Kotonohaでは、これからも社会問題を対話をもって考える会を開催したいと思います。(2023.7.2)
安田菜津紀:認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。